Year: 2024

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    残っている歯が少なくても

    歯の残存本数が少なくなり義歯の範囲が大きくなってきますと だんだん粘膜負担の範囲が増えます。 残っている歯も虫歯が大きく根だけになっていたり、歯周病で グラグラしてきたりすれば義歯が不安定になったり外れやすく なってきてしまいます。 例えば下記のレントゲン写真の矢印の歯のように虫歯も大きくなり 且つ歯の長さも短い場合被せ物(差し歯)にするには難しい状態 です。 しかしこれらの根だけの状態の歯にキーパー付き根面板という金属を 埋め込み、義歯側に磁石を埋め込み義歯を安定させることができます。   上記の図が磁性アタッチメントの構造です。   上記の写真は根だけ残っている歯にキーパー付き根面版を装着した状態です。 こちらの写真は義歯の内部に磁石を埋め込んだ状態です。   この症例は上顎の総義歯なので磁石がなくても比較的吸着を出すこと ができますが、歯槽骨が吸収している顎骨や下顎の総義歯のケースなど ではより効果が得られます。 あと上顎の口蓋隆起が発達しているケースでで口蓋部が覆えない場合、 磁性アタッチメントを使用することで安定力を向上することができます。   ※磁性アタッチメントは以前は保険外のみでしたが、2021年より  保険適用となりました。   あとMRI撮影時の影響ですが、磁石の構造体は義歯側についており歯に ついているキーパー付根面版は通常の金属冠などと変わりませんので 撮影時に義歯を外していただければ問題ないと思われます。

    2024.07.30 , , , , , ,

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    審美的な即時義歯をつくるには

    歯の状態が悪く抜かなくてはいけないが、抜いてしまうと審美的、機能的 な問題がありすぐに義歯がないと困るケースに即時義歯を適用します。 即時義歯とは簡単に説明すると抜歯予定の歯は抜かずに義歯作製を進めて いき抜歯と同時に義歯を装着する方法です。   ⇩即時義歯についての詳しい説明は以前のコラムを参照ください⇩ ⚫︎歯がボロボロで抜け落ちそう⚫︎   即時義歯の課題としては部分義歯の場合前歯などの抜歯ケースで作製する 即時義歯に金属の金具(クラスプ)が歯牙に掛かるため審美的な問題が 出てしまうということです。   即時義歯ではなく抜歯後に両隣の歯に仮歯を接着剤で固定して傷が落ち着いたら 型を採って作製するという方法もあります。 この方法の問題点として義歯作製時に接着剤をその都度削って外さないといけない のと、残存している接着剤の影響で型採り時の印象の精度が落ちてしまい上手く 入らなかったり、カタつきが出るなど問題がありました。 特にノンクラスプデンチャーを作製する場合精度に問題が出ると致命的です。   今回は口腔内スキャナー(IOS)を使用して即時義歯を金具のないタイプで作製 する方法をご紹介します。     こちらの症例は上顎の前歯が歯周病が悪化し動揺が大きくなり抜歯が必要となりました。   口腔内スキャナーにてスキャンを行い技工所にデータを送り抜歯予定歯を削合した状態 の模型を3Dプリンターにて作製します   そして削合した部分に義歯を作製   抜歯直後の状態   抜歯直後に出来上がってきた義歯内面を調整し装着 これで最低限審美的な障害がない義歯を装着できました。   抜歯後の傷が落ち着くまで内面調整を行い、1〜2ヶ月後最終義歯作製となりました。 ※こちらの義歯はあくまで暫間的に使用するものです。   口腔内スキャナーで作製する利点として歯形を採る必要が無いのでかなり動揺の強い歯 であっても大丈夫なところです。 動揺が強いと型を採る時に一緒に抜けてしまうリスクがあります。 現在の所適応は1〜2歯の欠損になります。 隣在歯の状態や咬み合わせの状態などで可否が変わりますのでまずはご相談ください。    

    2024.06.20 , , , , , ,

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    残すべきか抜くべきか

    日頃臨床を行っていて判断が難しいのは状態はあまり良くない歯だが御本人が特に 自覚症状もなく不便なく咬めているというパターンです。 ただ今後全体を見て義歯やインプラントを入れるかもしれないということを視野に 入れた場合、歯牙の状態が悪いと判断すれば早期に抜歯をしたほうがいいケースも あります。   例えば下の写真のケースですが右側は元々欠損で左側に歯が残っていてブリッジが になっており、そこにクラスプ(金具)が掛かり部分義歯が入っていました。 残存していた歯は多少動揺はしていましたが、ご本人のなるべく抜かずに残したい との希望でそのまま部分義歯のクラスプ(金具)を掛け使用していました。 数年後ブリッジの動揺も大きくなりレントゲンを撮影したところ歯牙周囲の歯槽骨 がかなり吸収を起こしており抜歯に至りました。 そして下顎は全て欠損となり総義歯になりましたが顎の形態は下の写真のように なりました。 右側が比較的骨は残っておりますが、左側の赤い矢印部分周囲の骨はかなり吸収 し平坦化しています。 総義歯を作製しましたが、義歯の形態は左右非対称となり均等に咬み合わせの力 がかかりにくく不安定な状態となってしまいました。 このケースは結果論にはなりますが、もう少し早めに抜歯を行なっておけばある程度 周囲の骨のダメージは少なかったかもしれません。 もしもインプラントを考えていた場合だと、骨吸収は著しい場合インプラントの埋入 手術が出来なくなってしまったり骨造成など必要となる場合が出てきます。   このケースから考えますと、どんな歯でも抜歯せず残すということが全て正義とは 限りません。 勿論患者さんの希望が第一ではありますが、担当医と画像などを確認しながらよく お話しして方針を決めることが大切であると思います。          

    2024.02.13 , , , , , , , ,

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