入れ歯作製にタイパ、コスパはあるのか?
今世の中ではタイパ、コスパなどの言葉が溢れています。 「タイパ」とは「タイムパフォーマンス(時間対効果)」の略称です。 費やした「時間」に対して、どれだけの満足感や成果(効率)が得られたかを 重視する考え方のことを指します。 「コスパ」とは「コストパフォーマンス(費用対効果)」の略称です。 支払った「費用(お金、労力)」に対して、どれだけの「価値(品質、満足度、成果)」 が得られたかを測る指標のことを指します。 結論から申し上げますと、入れ歯作製において「タイパ」を最優先にすることは避けるべき選択です。 なぜなら早く作ること(タイパ)を重視すると、最終的に「合わない」「痛い」「噛めない」というトラブルに 繋がり、何度も歯科医院に通い直すことになって、結果的に一番時間を無駄にしてしまうからです。 入れ歯は、単なる「型取りをして出来上がるプラスチックの塊」ではありません。 患者様一人ひとりの、顎の骨の形、筋肉の動きまで計算に入れて作られる、極めて精密な 「オーダーメイドの人工臓器」です。 ただし入れ歯を無くして食事をすることが出来ない、人前に出ることが出来ないなどの事情があれば タイパ重視にしなくてはいけないケースもあります。 では、「コスパ(価格対効果)」についてはどうでしょうか。これには2つの視点があります。 1. 「目先の安さ」だけで選ぶコスパ(保険診療) 保険診療で作る入れ歯は、費用を抑えられるという意味で、初期費用のコスパは非常に高いと言えます。 しかし、使用できる素材や作製工程に国が定めた厳格なルール(制限)があるため、「食べ物の温度を感じにくい (プラスチックが厚いため)」「見た目で入れ歯だと分かりやすい」といったデメリットが生じることもあります。 2. 「長期的な生活の質(QOL)」で選ぶコスパ(自由診療) 一方で、自費診療(自由診療)の入れ歯は、初期費用こそかかります。しかし、以下のようなメリットがあります。 薄くて違和感が少なく、食事が美味しく食べられる 金属のバネが見えず、見た目が自然で若々しく見える 入れ歯作製におけるタイパ、コスパについてですがそれぞれ患者さんの状況によって選択されるのが一番です。 保険だから悪いというわけでもありません。ただし保険治療には材料などに関してルールがあります。 担当の先生とよくお話しして決めていけば良いかと思います。
2026.06.10 3Dプリントデンチャー, コスパ, タイパ, 保険入れ歯, 総入れ歯, 那覇市 入れ歯, 部分入れ歯
目立たないが大切な装置なんです
入れ歯を維持するために必要な装置の一つにクラスプがあります。 クラスプとは一般的には金属の金具(バネ)などと呼ばれています。 その中でも入れ歯を沈み込まないようにしている装置が支持する 役目のレストと呼ばれているものです。 日頃患者さんのお口の中に入っている入れ歯を拝見していますが、 入れ歯を支持する為に大切なレストが適切な位置に配置されていなかったり 時にはレスト自体が無かったりすることがあります。 ではレストが無い入れ歯はどのような状態になるのかは下記の写真をご覧 ください。 ⇧レストが入れ歯に付与されていません⇧ 赤い矢印の方向に食事の際などに力が掛かる入れ歯が歯茎方向へ押し込まれて 食い込みます。それで歯茎が炎症を起こしたりします。 上記のような入れ歯の沈み込みを防ぐにはレストシートと呼ばれるレストが 掛かる小さな溝を歯に形成します。 そして入れ歯側にはレストを適切な位置に設置します。 小さな装置ですが入れ歯の安定には大変大切な役割をしています。 下記は通常よく見られる金属性のレストの義歯です。 レストは大切な装置ですが、金属や樹脂(ピンク色)で出来ているので 審美的に気になるという場合ホワイトレストという選択肢があります。 現在のところコンフォートシリーズにしかホワイトレストのオプションは ありませんが気になる方はお問い合わせください。
2025.07.24 LINE相談, ノンクラスプデンチャー, ホワイトレスト, メタルレスト, 保険入れ歯, 歯がボロボロ, 那覇市 入れ歯, 部分入れ歯
残っている歯が少なくても
歯の残存本数が少なくなり義歯の範囲が大きくなってきますと だんだん粘膜負担の範囲が増えます。 残っている歯も虫歯が大きく根だけになっていたり、歯周病で グラグラしてきたりすれば義歯が不安定になったり外れやすく なってきてしまいます。 例えば下記のレントゲン写真の矢印の歯のように虫歯も大きくなり 且つ歯の長さも短い場合被せ物(差し歯)にするには難しい状態 です。 しかしこれらの根だけの状態の歯にキーパー付き根面板という金属を 埋め込み、義歯側に磁石を埋め込み義歯を安定させることができます。 上記の図が磁性アタッチメントの構造です。 上記の写真は根だけ残っている歯にキーパー付き根面版を装着した状態です。 こちらの写真は義歯の内部に磁石を埋め込んだ状態です。 この症例は上顎の総義歯なので磁石がなくても比較的吸着を出すこと ができますが、歯槽骨が吸収している顎骨や下顎の総義歯のケースなど ではより効果が得られます。 あと上顎の口蓋隆起が発達しているケースでで口蓋部が覆えない場合、 磁性アタッチメントを使用することで安定力を向上することができます。 ※磁性アタッチメントは以前は保険外のみでしたが、2021年より 保険適用となりました。 あとMRI撮影時の影響ですが、磁石の構造体は義歯側についており歯に ついているキーパー付根面版は通常の金属冠などと変わりませんので 撮影時に義歯を外していただければ問題ないと思われます。
2024.07.30 LINE相談, 磁性アタッチメント, 総入れ歯, 総義歯, 那覇市 入れ歯, 那覇市 歯科, 那覇市入れ歯専門
審美的な即時義歯をつくるには
歯の状態が悪く抜かなくてはいけないが、抜いてしまうと審美的、機能的 な問題がありすぐに義歯がないと困るケースに即時義歯を適用します。 即時義歯とは簡単に説明すると抜歯予定の歯は抜かずに義歯作製を進めて いき抜歯と同時に義歯を装着する方法です。 ⇩即時義歯についての詳しい説明は以前のコラムを参照ください⇩ ⚫︎歯がボロボロで抜け落ちそう⚫︎ 即時義歯の課題としては部分義歯の場合前歯などの抜歯ケースで作製する 即時義歯に金属の金具(クラスプ)が歯牙に掛かるため審美的な問題が 出てしまうということです。 即時義歯ではなく抜歯後に両隣の歯に仮歯を接着剤で固定して傷が落ち着いたら 型を採って作製するという方法もあります。 この方法の問題点として義歯作製時に接着剤をその都度削って外さないといけない のと、残存している接着剤の影響で型採り時の印象の精度が落ちてしまい上手く 入らなかったり、カタつきが出るなど問題がありました。 特にノンクラスプデンチャーを作製する場合精度に問題が出ると致命的です。 今回は口腔内スキャナー(IOS)を使用して即時義歯を金具のないタイプで作製 する方法をご紹介します。 こちらの症例は上顎の前歯が歯周病が悪化し動揺が大きくなり抜歯が必要となりました。 口腔内スキャナーにてスキャンを行い技工所にデータを送り抜歯予定歯を削合した状態 の模型を3Dプリンターにて作製します そして削合した部分に義歯を作製 抜歯直後の状態 抜歯直後に出来上がってきた義歯内面を調整し装着 これで最低限審美的な障害がない義歯を装着できました。 抜歯後の傷が落ち着くまで内面調整を行い、1〜2ヶ月後最終義歯作製となりました。 ※こちらの義歯はあくまで暫間的に使用するものです。 口腔内スキャナーで作製する利点として歯形を採る必要が無いのでかなり動揺の強い歯 であっても大丈夫なところです。 動揺が強いと型を採る時に一緒に抜けてしまうリスクがあります。 現在の所適応は1〜2歯の欠損になります。 隣在歯の状態や咬み合わせの状態などで可否が変わりますのでまずはご相談ください。
2024.06.20 仮の入れ歯, 仮義歯, 保険入れ歯, 即時義歯, 歯がボロボロ, 目立たない入れ歯, 那覇市 入れ歯
よく噛めない原因は
現在使用している義歯が噛めないと当院を受診しました患者さん 下記の義歯を使用中でした。 一見そんなに問題なさそうに見えますがお口の中に入れてみると 咬み合わせがかなり高い状態でした。↓ 総義歯やすれ違い咬合などで元の咬み合わせの高さがわからない場合 顔面の計測をして基準値で決めていきますが、使用していた義歯は かなり高い状態。 お口の中の義歯を入れると安静時空隙がほとんどなくほぼ安静時も上下 の歯が接触している状態。唇を閉じてもらうとお口の中がいっぱいになり あと義歯の床縁も長く歯肉の可動域まで延ばした状態でしたので、少しお口を 開くと義歯が浮き上がってしまい上下の歯牙がカチカチ当たってしまう状態でした。 なので上下の総義歯を新製しました。↓ 顔面の計測をし基準値まで咬み合わせの高さを低くして、歯肉の可動域まで 床縁が超えないようにしました。 咬み合わせの高さを基準値まで下げることでお口一杯に義歯が入っている感じ がなくなり安静時空隙ができたことで上下の歯が当たるカチカチ音がなくなり ました。吸着もよく開口してもほとんど浮き上がらなくなりました。 今回はZERO SYSTEMを用いた保険義歯での作製でしたが良い適合を得ることが 出来ました。 今後より良い適合を目指して保険外の義歯なども検討していくこととなりました。
2022.07.25 LINE相談, ZERO SYSTEM, 保険入れ歯, 教えて!入れ歯のこと, 歯がボロボロ, 沖縄県入れ歯専門, 那覇市 入れ歯, 那覇市 歯科, 那覇市義歯専門
























