今まで多くの歯科治療を受けてきて気が付いたらお口の状態がだんだん

変化している患者さんが多くいらっしゃいます。

多いパターンは歯を抜いたあとそのまま放置していて咬み合わせ側の歯が

出てきてしまっているケースか、歯周病が進行し奥歯を抜歯し前歯が残り、

前歯咬みになるので突き上げられた上の前歯がフレアーアウト(上前歯の

歯並びが前方に出て放射状に広がる状態)し、咬み合わせの高さ(咬合高径)

が下がってきているケースです。

例えばこのケース、正面からみると下の前歯が見えません。

元々は下の前歯は見えていたようです。

側面から見ると咬合平面(上下の歯を合わせたときの平面)がかなり乱れて

おり段差になっております。

この状態だとしっかり咬めませんし、義歯も壊れやすくなります。

咬合平面を整えて咬筋と直交させることで咬む力をより伝えやすくなります。

この患者さんの主訴は上下の義歯の新製でしたがこのまま作製するとバランス

の取れたきちんと噛める義歯を作製するのは不可能です。

 

じゃあどうしたらきちんと噛める義歯ができるのか?

→元々の咬み合わせの高さを回復し、上下左右をバランスの取れた状態に

することです。

この症例だとまず歯の治療や治療用義歯(仮義歯)を作製し咬み合わせの

高さを上げていき義歯の高さを上げ下の前歯のブリッジを仮歯にし高さを

合わせます。

下の前歯のブリッジを作製し上下義歯の咬合平面を整えて完成義歯へ移行

します。

ここまで治療期間は半年以上掛かりましたが上下左右のバランスはよくなり

きちんと噛めるようになってきたとのことです。

これからまだ治療は続きもう少し咬合平面を正しい位置へ修正していき本義歯

へ移行していきます。

治療期間はやや長くなりますがここでしっかりとした噛み合わせを構築する

ことで長く使用できる義歯を作成することができます。

体のバランスは健康の為にはもちろん大事なことですが、咬み合わせの上下左右の

バランスもかなり重要です。

義歯が合わないという理由もこういったことが根本にあるかもしれません。

気になる方は是非一度ご相談ください。

 

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