審美的な即時義歯をつくるには
歯の状態が悪く抜かなくてはいけないが、抜いてしまうと審美的、機能的
な問題がありすぐに義歯がないと困るケースに即時義歯を適用します。
即時義歯とは簡単に説明すると抜歯予定の歯は抜かずに義歯作製を進めて
いき抜歯と同時に義歯を装着する方法です。
⇩即時義歯についての詳しい説明は以前のコラムを参照ください⇩
⚫︎歯がボロボロで抜け落ちそう⚫︎
即時義歯の課題としては部分義歯の場合前歯などの抜歯ケースで作製する
即時義歯に金属の金具(クラスプ)が歯牙に掛かるため審美的な問題が
出てしまうということです。
即時義歯ではなく抜歯後に両隣の歯に仮歯を接着剤で固定して傷が落ち着いたら
型を採って作製するという方法もあります。
この方法の問題点として義歯作製時に接着剤をその都度削って外さないといけない
のと、残存している接着剤の影響で型採り時の印象の精度が落ちてしまい上手く
入らなかったり、カタつきが出るなど問題がありました。
特にノンクラスプデンチャーを作製する場合精度に問題が出ると致命的です。
今回は口腔内スキャナー(IOS)を使用して即時義歯を金具のないタイプで作製
する方法をご紹介します。
こちらの症例は上顎の前歯が歯周病が悪化し動揺が大きくなり抜歯が必要となりました。
口腔内スキャナーにてスキャンを行い技工所にデータを送り抜歯予定歯を削合した状態
の模型を3Dプリンターにて作製します
そして削合した部分に義歯を作製
抜歯直後の状態
抜歯直後に出来上がってきた義歯内面を調整し装着
これで最低限審美的な障害がない義歯を装着できました。
抜歯後の傷が落ち着くまで内面調整を行い、1〜2ヶ月後最終義歯作製となりました。
※こちらの義歯はあくまで暫間的に使用するものです。
口腔内スキャナーで作製する利点として歯形を採る必要が無いのでかなり動揺の強い歯
であっても大丈夫なところです。
動揺が強いと型を採る時に一緒に抜けてしまうリスクがあります。
現在の所適応は1〜2歯の欠損になります。
隣在歯の状態や咬み合わせの状態などで可否が変わりますのでまずはご相談ください。