残っている歯が少なくても
歯の残存本数が少なくなり義歯の範囲が大きくなってきますと
だんだん粘膜負担の範囲が増えます。
残っている歯も虫歯が大きく根だけになっていたり、歯周病で
グラグラしてきたりすれば義歯が不安定になったり外れやすく
なってきてしまいます。
例えば下記のレントゲン写真の矢印の歯のように虫歯も大きくなり
且つ歯の長さも短い場合被せ物(差し歯)にするには難しい状態
です。
しかしこれらの根だけの状態の歯にキーパー付き根面板という金属を
埋め込み、義歯側に磁石を埋め込み義歯を安定させることができます。
上記の図が磁性アタッチメントの構造です。
上記の写真は根だけ残っている歯にキーパー付き根面版を装着した状態です。
こちらの写真は義歯の内部に磁石を埋め込んだ状態です。
この症例は上顎の総義歯なので磁石がなくても比較的吸着を出すこと
ができますが、歯槽骨が吸収している顎骨や下顎の総義歯のケースなど
ではより効果が得られます。
あと上顎の口蓋隆起が発達しているケースでで口蓋部が覆えない場合、
磁性アタッチメントを使用することで安定力を向上することができます。
※磁性アタッチメントは以前は保険外のみでしたが、2021年より
保険適用となりました。
あとMRI撮影時の影響ですが、磁石の構造体は義歯側についており歯に
ついているキーパー付根面版は通常の金属冠などと変わりませんので
撮影時に義歯を外していただければ問題ないと思われます。